「セラミック」(陶材)は、詰め物やかぶせ物に使われる、歯科材料の名前です。白い色の歯科材料で、強度があるので奥歯にも使うことができます。
ムシ歯の治療をしたとき、昔はムシ歯を削ったところに、金属を詰めるのが一般的でした。また、前歯に隙間があるときや欠けてしまったときの治療方法が、大掛かりなものになってしまうか、あるいはなにもしないで放っておくかのどちらかしかありませんでした。
最近では、「口をあけたときに銀歯が見えるのが恥ずかしい」「前歯を見せたくないから人前で笑顔になれない」「(就職活動や面接、営業などで)相手にいい印象を与えたい」「自分に自信をもちたい」とおっしゃる方が増え、白いセラミックで歯を修復したい、と希望される方が増えています。
きたいま歯科では2000年からメタルフリー治療を行っています。
当時はセラミックなどのメタルフリー治療を行っている歯科医院が少なく、他の歯科医師からは、『セラミックが割れたりして、患者さんから苦情も多いだろうに。メタル(銀歯)の方が楽で簡単でしょ?』とよく笑われました。
なぜ、こんな風に笑われながらもメタルフリー治療に本格的に取り組もうと思ったのかというと、きたいま歯科では、むし歯治療で金属を外した後、副次的に皮膚アレルギー症状が良くなって喜ばれる方が多かったからです。
また、当時は金属の詰め物、かぶせ物が主流でしたが、金属を外すと、ほとんどの詰め物・かぶせ物の下に大きなむし歯ができていました。銀歯は、接着剤がとけてその隙間からむし歯が再発しやすいのです。治療したところは、できるだけむし歯になってほしくない、という強い思いもありました。
さらにこの頃、驚くべき事実として、『ドイツやスウェーデンでは、銀歯に使われる「金銀パラジウム合金」が金属アレルギーなど体への悪影響をおよぼす可能性があるとして、歯科での使用を禁止している』ことを知りました。今後は日本でもメタルフリー治療が一般的になっていくと思い、研鑽を続けることを決意したのです。
当時はまだセラミック自体も接着剤も発展の途上にあり、またメタルフリー治療の技術を教えてくれる歯科医師もほとんどいませんでした。独自に学び、技術を磨き、色々試行錯誤しながら、現在では、割れにくい削り方、痛みの出にくい接着の仕方などを確立しつつあります。
本当は銀歯をメタルフリーのセラミック(あるいはゴールド)に換えたいけれど、銀歯がたくさんあるからどうしよう…と迷われている方もいらっしゃると思います。
一度にすべての銀歯をセラミックやゴールドに換える方もみえますが、時間やお金の面などの、いろいろなご都合もあると思います。むし歯になっているところは緊急性が高いので優先的に換えて、後は3ヶ月~半年に1本ずつ、銀歯をセラミック(ゴールド)に換えていくのはいかがでしょうか?いまからでも遅くはないですと、当院ではお話ししております。
その後、定期的にむし歯になっていないか、検診の際に確認していかれると良いと思います。
このようにお話しすると、ホッとされる方もみえて、悩まれている方も多いんだと、痛感しております。
患者様のご希望や状況に応じて、最適と思われる提案をさせていただきますし、 無理にお話を進めることもいたしませんので、どうぞ安心してご相談ください。
セラミック治療には色々な種類があります。
・前歯に隙間がある場合…隙間のないようにセラミックをつけ爪のように貼り付けます。
・先天的な問題で歯が変色していたり、歯の表面がでこぼこしている場合…薄いセラミックを貼り付けて、見た目をきれいにします。
・事故などで歯の一部が欠けてしまった場合…セラミックを歯の形に整えて貼り付けます。
ムシ歯の治療をした部分の詰め物(インレー)を、金属(アマルガムなど)やレジン(プラスチック素材)から白いセラミックに変えます。
神経を抜いた歯のかぶせ物(クラウン)を金属から白いセラミックに変えたり、古い差し歯を取り替えるときにセラミックを選択される場合もあります。メタルセラミックとオールセラミックの2種類があります。
メタルセラミックはセラミックの内側(外からは見えません)にメタルを使用してあり従来の方法です。
オールセラミックは、内側にジルコニアというセラミックを使用しており、強度に優れています。見た目の美しさもメタルセラミックよりもワンランク上です。それに加えてメタルを一切使わないので金属アレルギーの心配もありません。
セラミックにはたくさんのメリットがありますので、ご紹介します。
セラミックは、生体親和性のある体に優しい素材です。 歯科素材は、かたすぎるとかみ合わせる歯が磨り減っていってしまいますし、やわらかすぎると、歯科素材自体が磨り減っていってしまいます。セラミックは歯に近いかたさなので、かみ合わせの歯を痛めません。
セラミックには金属が含まれませんので、金属アレルギーの患者さんにも安心な歯科材料です。
セラミックは、色や形を自由に調節することができます。あなたの歯の色に合う自然な色合いから、輝く真っ白い色まで、自由に選ぶことができます。また、丸みを帯びた女性らしい形や、きちんとしたイメージのシャープな形など、好みの形に仕上げて治療することができます。デジタルカメラで撮影したものを技工士に送り、それをもとに作製するので周りの歯との調和や自然な感じを表現することができます。
セラミックの最大の特長は、歯に近い白さを再現できる、ということです。他の歯科材料は主に金属で、治療をしたところが誰の目にもすぐに分かってしまいました。セラミックは、天然の歯に最も近い色を再現できます。目に見える部分だけをセラミックで白くするのではなく、例えばオールセラミック治療の場合、裏側まで全てセラミックを用いるため、光の透過性という点でも、天然の歯と見分けがつかないほど自然に仕上がります。
奥から三番目の歯に白い詰め物がしてあるのですが、物が詰まるということで、セラミックの詰め物に交換します。 | |
自分の歯と同じような感じに仕上がり、物もつまらなくなり喜んでおられました。 |
セラミックは、レジン(プラスティック)と違って、年月が経ってもまったく色に変化が出ません。レジンは、通常2年くらい経つと変色や黄ばみ、においの付着がおこりますが、セラミックは黄ばむこともなく、においがついてしまうこともありません。
金属のかぶせ物をかぶせると、口の中で金属が腐食して色素が沈着し、歯ぐきや歯が黒ずんできてしまうことがよくあります。セラミックは腐食しませんので、歯ぐきや歯が黒くなってしまうことがありません。
セラミックは耐久性に優れていて、非常に高い強度をもった歯科材料です。そのため、欠けてしまったり、すり減ることがほとんどなく、長持ちします。
残念ながら、セラミックにもデメリットがあります。
・保険が適用されません…保険が適用されませんので、保険の金属に比べて高価にはなりますが、保険銀歯に比べて虫歯の再発が少ないので結果的に歯が長持ちし、入れ歯になるリスクや、歯科医療費が少なく済む可能性がそれだけ高くなります。
・かみ合わせの調節が必要な場合があります…1本の歯をセラミックに変えるだけでも、口全体のかみ合わせの調整を行なう場合があります。せっかくセラミックの歯科材料を入れても、「噛む」ために歯が機能しないのでは意味がありませんので、ご理解ください。
きたいま歯科 | |
〒494-0004 愛知県一宮市北今字再鳥3-11 アクセスマップ・地図 | 0586-62-2497 ※お昼休みの間も対応可能です *ご質問・ご相談は「無料メール相談」にて受け付けております。 |