私がこの地できたいま歯科を開業して20年以上経ちました。最初のころは、特に保険治療に関して何の疑問も持つことはありませんでした。
たとえば、虫歯治療をした後のかぶせ物は、保険治療では銀歯以外にありません。保険でかぶせ物をする場合には必ず銀歯になります。ところがこの銀歯には、「パラジウム」という、諸外国では人体に使われていない金属が含まれています。
なぜ外国では人体に使わないのか。それは、体に害悪があることが指摘されているからです。特にドイツやスウェーデンでは、保健省が歯科業界に対して、「幼児および妊婦に、銅を含有するパラジウム合金と、水銀・銀アマルガム合金を使用しないように」と勧告を行っています。
残念ながら日本では、「歯科は命に直接関わる治療ではないから、保険では必要最小限・最低限のもののみ提供する」という基本方針に則って、歯科の保険治療の内容が決められています。
そもそも今の歯科保険治療の原型は、戦後の物資の乏しい時代に、安全性は二の次で、「安く大量に手に入る金属だから」という理由で、人体の影響に疑義が残るもののとりあえず銀歯が健康保険に指定されました。日本が戦後から復興したら見直されるはずだった銀歯(金銀パラジウム合金)は、戦後70年以上たった今も、見直されることのないまま現在に至っています。
お口の中の金属は、高温多湿の過酷な環境にさらされて、少しずつ酸化して溶け出していきます。さびが体の中に入っていくのは何となく気持ち悪いですし、どなたも避けたほうが体のためには良いと思います。また、さびるだけではなく、溶けだした金属が体内のどこかで蓄積して反応してしまうと、皮膚のかゆみやブツブツ、難治性の皮膚疾患(金属アレルギー)になるとも言われています。
体のどこに発症するかは人によって様々です。しかも、誰に金属アレルギーが出るのかは、現代の医学ではわかっていません。特に歯科金属の場合は、入れてすぐではなく、治療してから何年も後に、皮膚症状としてアレルギーが出てくる場合がほとんどです。患者さんにとっては、「ある日突然」この言葉がぴったりです。
ある患者さんが「金属が取れました」と言って持ってこられた、保険のブリッジの写真です。
赤い丸印の茶色い所が、さびている証拠です。
いま治療をされている最中の方や、これから歯科治療を受ける方は、歯の修復を、金属を使わない『メタルフリー(セラミック)』で治療した方が良いです。どうしても金属で、ということであれば、金合金を使うのが良いと思います。私が、自分や家族の歯を治療するときには、保険金属は絶対に使いません。見た目の問題ではなく、どれだけ体に良くない金属が使われているか知っているから、家族にも当院に来てくださった患者様にも、セラミックや金合金を使ったつめ物やかぶせ物を使っていただきたいと、考えています。
最近、東京に住んでおられるロシア人の女性の方から、お電話でお問い合わせがありました。 「健康保険証を持って歯科医院を受診したんですが、奥歯に銀歯を入れられました。ロシアでは50年前には銀歯は健康上良くないので、使っていないのですが、日本ではどこの歯科医院でも銀歯になるのですか?」というご質問でした。私は、大変恥ずかしくなりました。日本の保険制度上、銀歯になるのが通常で、銀歯以外になると保険外になります。色んな意味で国際化が進んでいるので、お口の中のことも世界基準になっていって欲しいと、切に願います。
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