歯が全部なくなってしまうと、総入れ歯を入れるか、インプラントにするかという選択しかありません。最近はインプラントを取り扱う歯科医院も増えていますが、私は、患者さんには保険の入れ歯をおすすめしています。
インプラントももちろん悪いものではありません。しかし、インプラントの周囲に汚れが溜まってくるとなかなか取れなく、その後周囲に炎症が起こることがあります。そうなってしまうと、せっかく埋めたインプラントを除去しなくてはなりません。また、その後入れ歯にするにしても顎堤がへこんでしまい、入れ歯もあわなくなってしまいます。
自費の入れ歯を希望される患者さんもいらっしゃいますが、確かに自費の入れ歯は手間暇かけて作るため、精度のいいものが出来ます。しかし、顎堤は保険の入れ歯でも自費の入れ歯でもほぼ同じように吸収し、顎の土手(山になっている部分)が、年齢と共に少なくなっていきます。
高いお金を払って自費の入れ歯を作っても、結局数年で合わなくなっていきます。それならば、顎堤の減りに合わせて、保険の入れ歯で、1年から2年ぐらいの間に新しい入れ歯に作り替えていったほうが、経済的にもお口の中の快適さから見ても良いと、私は思います。
入れ歯が痛いのを何年も我慢したり、市販の入れ歯クッション材を使用されている方も多いですが、入れ歯の痛みの原因は、「入れ歯と顎堤の間に隙間ができてしまうこと」です。すき間ができるとその部分の高さが変わってがたつき、当たる部分と当らない部分の凸凹ができてあちこちが不適合になり、痛みが出てきます。
保険では入れ歯を作る工程が決められているため、自費の入れ歯よりはいいものが作れません。ある程度のところで、いわゆる60点ぐらいの義歯しか作れませんが、保険で痛くない入れ歯を作ることは可能です。
また、一度作った入れ歯が合わなくなったり、がたついたり、噛みにくくなったりしても、そのまま我慢して使い続けることはありません。入れ歯は調整できますので、痛みが出たらできるだけ早く予約してご来院ください。
飲食は普通にしていただいていいですが、あまり固いものをバリバリは食べない方がいいと思います。
夜寝るときには、できれば入れ歯を外してお休みください。粘膜も休めてあげないと、疲れてしまいます。寝るときも入れ歯を入れていないと顎がだるくなる等の症状がある場合は、就寝時に入れてお休みになり、日中の時間に少しでも外して、粘膜を休めてあげて下さい。
食後は外せるところでは、外して洗浄してください。歯磨き粉などでこすると、入れ歯に傷がついてしまい、変色の原因になるので、避けて下さい。
外してお休みになる時は、入れ歯を洗ってから、入れ歯洗浄剤につけておかれると清潔さを保てます。
顎堤は、1年で0.5ミリ、2年で1ミリ減ってくるので、6か月に一回は歯科医院へ行って調整すると、入れ歯を長く快適に使っていただくことができます。
当院では入れ歯の定期健診の際に、かみ合わせのチェック、入れ歯と顎堤の適合のチェックをして、もし不具合や痛みがあれば、かみ合わせの調整、不適合部分の削合、もしくは裏打ちをして、入れ歯と顎堤のすき間を補うように樹脂で密着させます。ピタッと合うようになるので、とても噛みやすくなります。
また、定期健診の際に、入れ歯専用の洗浄剤を入れて、入れ歯を超音波で洗浄させていただきます。普段のお手入れでは取れない汚れも取れますので、「入れ歯がすっきりした感じがして、口の中が気持ちいい」とおっしゃる患者さんもいらっしゃいます。
当院では、イボカップ重合の自費の入れ歯も取り扱っています。
型どりをした模型から義歯に置き換える時に、どうしても誤差が生じてしまいます。誤差が少なければ少ないほどお口にぴったりと合った入れ歯ができるのですが、その誤差の少ない方法をイボカップ重合と言います。
また、入れ歯の下にシリコンという軟性の材料をひいて、硬い入れ歯が直接粘膜に当たらないようにするコンフォート義歯もあります。シリコンがクッションの役目をしてくれるので、痛みが出にくい入れ歯になります。
入れ歯に関するご質問やご相談があれば、お気軽にお問い合わせください。
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