歯を丈夫にするレーザーの『歯質強化』
私たちが飲食するたびに、歯の表面では、酸により歯のエナメル質が溶け出す「脱灰(だっかい)」と、唾液が歯のミネラルを補給・修復する「再石灰化」が繰り返されています。
ところが、このメカニズムのバランスが崩れて、脱灰の方に傾くと、再石灰化が追い付かなくなり、虫歯になってしまいます。ストリークレーザーは、熱エネルギーによって歯の表面のエナメル質や内部の象牙質の耐酸性を高めることが出来るため、「脱灰が起きにくい強い歯質」にすることが可能です。これが、ストリークレーザーによる歯質強化です。
型を取った後に、歯質強化をする目的でレーザーを照射することにより、むし歯になる確率が少なくなります。セラミックなどのメタルフリー治療では、削った後にレジンコーティングをして、歯の強化をするのですが、当院ではレジンコーテイングをする前に、レーザー照射をして歯の強化をはかり、その後レジンコーティングをして、よりむし歯になりにくい様にしています。
こんな方におすすめ!歯質強化
虫歯になりやすい方に
生まれつき虫歯になりやすい唾液の質の方や、シェーグレン症候群などの病気で唾液が出にくい方、ドライシンドローム(乾燥症候群)、ドライマウスなどで唾液の量が少ない方は、むし歯になるリスクが高いです。歯質強化することで、むし歯の予防効果が期待できます。
矯正治療を行なう方に
歯ならびを改善する矯正治療の最中は、ブラケットやワイヤー、マウスピースなど、お口の中に矯正装置が入るため、虫歯を作ってしまう方が少なくありません。矯正治療前に歯質強化をして、エナメル質や象牙質の耐酸性を高めておくと、矯正治療中の虫歯予防に効果的です。矯正治療中でも歯質強化できますので、お気軽にご相談ください。
治療を受けた患者さまの感想
バチバチと音はしますが、痛みはありませんでした。
レーザーと一緒に使う乳液は甘いので、お子様でも安心して治療を受けることが出来そうだなあと思いました。
歯を強化する歯質強化治療のメカニズム
歯の表面にはエナメル質と呼ばれる層があり、その内部に象牙質と呼ばれる層があります。
このエナメル質を電子顕微鏡で見てみると、エナメル質には細かいすき間が存在することがわかります。また、歯肉が下がって歯の根が露出してくると象牙質が見えますが、この象牙質にも、エナメル質と同じような細かいすき間が存在します。このすき間の内部には水分があり、水分と共に虫歯菌や酸性物質がすき間に入り込み、歯の脱灰(虫歯)を誘発すると考えられています。
ストリークレーザーの熱エネルギーで、エナメル質や象牙質の表面の隙間を埋め、水分も少なくすることによって、虫歯菌や酸性物質がエナメル質や象牙質のすき間に入り込むのを極力防ぎ、歯の耐酸性を増強、むし歯になりにくくするのです。(象牙質のすき間を埋めることによって、歯の根が露出することにより起きる知覚過敏の治療にも効果が認められています。)
※レーザーで歯質強化しても、エナメル質や象牙質の変化は電子顕微鏡レベルですので、歯の表面
の形や見た目、色には変化がありません。どうぞご安心ください。
歯質強化のQ&A
ほとんどありません。
カリエスリスクの高い方は行った方が良いと思います。
特にこれから矯正治療を始められる方にはオススメです。なぜなら矯正器具やマウスピースなどを入れられると磨き残しなどがあると虫歯のリスクが高くなるからです。
全顎で40分ぐらいです。
その方のカリエスリスクによって変わりますが、3ヶ月から6ヶ月ぐらいです。やる前に虫歯診断機で数値を計り、処置後も数値を計ります。3ヶ月から6ヶ月後に数値を測定して、数値が高くなっているようであれば、そこで追加の歯質強化をします。数値が変わっていなければ効果が継続中なので行う必要はありません。